配信は2023年1月4日9:10まで。
ボキャブライダー #1163【似て非なる単語】affect, effect, terrific, terrible | NHKラジオ らじる★らじる
Max: 最初の "ter-" の部分は「恐怖」を意味するパーツです。もともと "terrific" は「恐怖をもたらすような」という意味でしたが、19世紀の終わりごろから逆の「すばらしい」という意味で使われるようになりました。
Hiyori: 日本語の「やばい」といっしょですね。
Max: はい。 "awesome" や "sick" も、悪い意味から「最高の」「かっこいい」という褒め言葉になった例です。
英辞郎は最初に「話〉素晴らしい、すごくいい」を挙げ、最後に「〈古〉怖い、恐ろしい」を載せている。
Cambridge Dictionary や Oxford Learner's Dictionaries は悪いほうの意味に言及していない。
www.oxfordlearnersdictionaries.com
悪い意味ではもはや使わないもの、と思っていいのかな。そうすると、現状どちらともとれる「やばい」とはちょっと印象が違ってきそう。
「やばい」がいい意味で使われるようになったのは、自分の周りではゼロ年代初頭だったような気がする。ひとつの言葉が相反する2つの意味を持つようになるなんて不合理で不便なことだと思っていたけれど、よその言語にもあるなら案外普遍的な現象なのかもしれない。そして「やばい」もそのうち、 "terrific" と同じくいい意味でしか使われなくなるんだろうか。
ちなみに Longman には語源について記述があった。親切。
語源 terrific (1600-1700) Latin terrificus “frightening”, from terrere; → TERRIBLE
ボキャブライダー Max の発言とあわせると、17世紀にラテン語から英語に借用されて、19世紀末に逆の意味が定着した…ということか。
なお "awesome" "sick" についてはいずれの辞書も、いいほうの「やばい」に相当する意味を口語・俗語・若者言葉としてあとのほうに挙げていた。こちらのほうが現在の「やばい」に近い状況か。これらもいつか、いい意味の言葉になっていくのかな。