『英語語源ハンドブック』にこじつけて学ぶドイツ語 #35 key
HEE こと『英語語源ハンドブック』にこじつけてドイツ語の語源その他について書くシリーズ。
第35回は key から。
本来語ではあるが、詳しい語源は不明。古英語から使われている。
どうせならドイツ語に同根語を見つけたいものだけれど、これは困った。Duden 語源辞典の全文検索では、英語 key に言及している記事は見つけられなかった。
KDEE こと英語語源辞典の key の項には次のように書かれていた。
語根不詳。同族語も上掲のもの(古フリジア語、中低ドイツ語)以外は知られていない。Gmc *ki- to cleave, split にさかのぼるものとして G Keil wedge との関係を説く説もあるが確かでない。
der Keil 「くさび」を Duden で引いてみたが、ドイツ語 Keil と英語 key の間に関係があるとの記述はみられなかった。key の謎は深い。
では現代ドイツ語で key をなんというかというと、これは der Schlüssel 「鍵」である。この名詞は動詞 schließen 「閉める」から派生したもので、ほかに der Schluss 「終了、帰結」や das Schloss 「城、錠」も同じく schließen からの派生だという。
この schließen の系列にあたる語はドイツ語とオランダ語にしかみられないとのことで、英語に同根語を求めるのは難しいようだ。その点ではちょうど、英語にあってドイツ語になかった key と好対照をなしているといえる。ただラテン語 claudō 「閉める」や clāvis 「鍵」 と同じ印欧語根にさかのぼるらしく、いわれてみれば schließen の語頭の s- を外してみると似て見えなくもない。
最後に、HEE の挙げている key の別の語義について。「(音楽の)キー」のことはドイツ語では die Tonart という。Ton 「音」の Art 「やり方」という複合語である。「(楽器の)鍵盤」は die Tastatur ないし英語からの借用で das Keyboard が用いられる。
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