ドイツ式の「半筆算」による割り算 halbschriftliches Dividieren

ドイツはニーダーザクセン州の基礎学校(日本の小学1~4年に相当)で「割り算の筆算」をカリキュラムから除外するというニュース。
代わりに教えるのが、表題の halbschriftliches Dividieren 「半筆算」であるという。半筆算とは何か。上記記事は次の例を挙げている。
Lautet die Aufgabe beispielsweise 2340:5 wird zunächst 2000:5, dann 300:5 und schließlich 40:5 im Kopf gerechnet. Die einzelnen Ergebnisse werden dann addiert: 400 + 60 + 8 = 468.
2340÷5 を直接計算しようとするのでなく、まず 2340 を 2000 300 40 のように分け、それぞれの商 400 60 8 を最後に足し合わせるというステップを踏む。
数学教授法の観点からは効果が期待されているいっぽう、教育水準を下げるべきでないとの批判もあるようだ。
ところでこの「半筆算」という語はきいたことがなかったので調べたことをメモ。
従来のドイツ式筆算による割り算 schriftliches Dividieren
わかりやすい動画があった。
記法こそ見慣れないけれど、日本の算数で教わる割り算の筆算と同じことをしているのが見て取れる。ニーダーザクセンの小学校ではこれを教えなくなるのだという。
半筆算による割り算 halbschriftliches Dividieren
同じサイトに半筆算の動画もある。WELT の説明よりくわしい。
WELT の例だけ見ると「各桁が割り切れる」ケースしか扱えないかのようだったけれど、要は暗算で割り切れる適当な整数の和に分けられればなんでもいいようだ。ただそうすると、そんなうまい整数を探すほうが手間なのでは?という気もしないではない。子どもにはそうでもないんだろうか。
半筆算という用語について
ところでドイツ語 halbschriftliches Dividieren を「半筆算」による割り算と直訳していたが、これまで「半筆算」なる語はきいたことがなかった。何か定訳はあるのだろうか。探してみると、ドイツの指導要領から「半筆算」を紹介する記事が見つかった。やはりこの訳でよいらしい。
岡本 ・山本(2008)によると ,ドイツでは,2002年にドイツ連邦共和国の各州文部大臣会議において「教育スタンダード」を作成することを決定し,2004年に基礎学校の「国語」と「数学」の教育スタンダードが公表された。 その中で,数と計算に関する指導事項には,以下のように「半筆算 」の用語が示されている。《口頭,あるいは半筆算による計算の方法を理解し,それを計算の問題に適切に活用する》
[...]『数の本』では,第2学年の42ペ ージにこの「半筆算」が登場する。ここでは,「38+25」を計算するいくつかの方法が示されている。その代表的なものは,38を「30と8」,25を「20と5」と見て ,それぞれの部分和を求めるものである。
このような考え方は,日本の小学校学習指導要領にも見られる。しかし, ドイツにおける「半筆算」が一つの計算方法として認められているのに対して.日本では「形式化されていない状態のもの」として見られている点で,両者の見方には大きな違いがある 。
「半筆算」を紹介する日本語の動画も見つかった。
学校では教えてくれない!?
ドイツの学校では教えてくれるそうですよ。